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【大学図書館員が教えるAI時代の調べ方の教科書】はAIに使えるか?

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ChatgptやAIに聞ければ、
知りたいことも何でも出てくる時代。

本当に正しい知識、使える情報がわからない不安はありませんか?

今回は、そんな情報洪水”の中でも、迷わずに必要な答えに早く辿りつく力を
身につけられる一冊。

「大学図書館員が教える AI時代の調べ方の教科書」
著者:中崎倫子さんの本を紹介します。

本書の魅力は、アナログ(図書館的アプローチ)とデジタル(AI・検索エンジン)のノウハウを
“融合”して使いこなす点。

昭和女子大学の図書館司書、ビジネス研究所の研究員、
NewsPicksトピックスオーナーでもあり
高い情報収集スキルを持つプロのノウハウが丸ごと学べます!

目次

「AI時代の調べ方の教科書」がおすすめな人

この本は、以下の悩みを持つ人に特におすすめです。

・「調べる」ことが苦手な人
・Google検索しても、答えにたどり着けない人
・AIが出す情報の信頼性に不安を感じている人
・早くレポート・企画・資料作成を作りたい人
・ChatGPTなどのAIツールを使いこなせていない人

正しい情報収集を早くできることは、現在では必須のスキルの一つです。

これができる人とできない人では、仕事の進捗スピードも変わるので、
ビジネススキルで大きな差がつきます。

大学図書館員が教えるAI時代の調べ方の教科書の概要

本書は5章に分かれています

面白いのは、最新のAIツールを活用するデジタルな情報収集スキルだけではなく、
図書館の活用術などのアナログな手法の両方の説明があることです。

1章:情報収集する前に
2章:情報の集め方
3章:図書館を使いこなす
4章:情報を吟味する
5章:情報のまとめ方

事前準備から、情報を使える状態にまとめるまでの
一連の流れが、誰でも手順通りやればできそうです。

「AI活用に情報検索スキルは必要」は一般論すぎる?

「AI時代だからこそ、情報検索スキルが必要だ」
──このテーマ自体は、目新しくはなく、
よくある一般論に思えるかもしれません。

実際に、この本のレビューの中には、
「AI活用とはほとんど関係ない内容では?」といった声も見かけました。

でも、私はこの意見には異を唱えます。

なぜなら、本書が伝えたいことは

「AI、便利な検索ツールや図書館を使い、何でも欲しい情報が手に入るノウハウ」
などの短絡的な話ではなく、

**AIを使いこなすために必要な“人間側の情報収集力と判断力”**について、
具体的な行動も説明されている、地に足のついた視点で書かれているからです。

AIが「調べること」自体を変えた事実を考えさせれる

現代の情報検索には、もはやAIが関わっていないもののほうが少ないのでは?

Google検索のアルゴリズムも、ChatGPTのような生成AIも、
日々私たちの調べ物に関与しています。

だからこそ、私たちは「AIを使えば簡単に答えが出る」と錯覚しがちですが、
本当に大切なのはその過程の設計です。

たとえば、

情報収集の全体像に漏れがないか?
出てきた情報の信頼性はどうか?
自分の問いに対して、それは目的に合う“答え”になっているか?

これを精査するのは、人間の視点や経験、そして思考力が欠かせません。

私は、ブログの情報収集は、Chat GPTを使用しても
主に「情報の正確性」「他の視点はないか」などをチェックするために
Gemini、Perplexityなどの他のAIや検索ツール、時には書籍も“二重チェック”の相棒として活用しています。

AIは有料課金しなくても、ある程度の答えは出してくれますが、
情報の間違いもあるので、多方面からチェックしないと怖い面もあります。

これは本書で紹介されている、

「複数の情報源を活用する」
「整理のフレームを持つ」などの思考法は、

普段の作業をより効率よく精度を高めてくれるヒントになります。

しかし、このような全般的な情報の調べ方を伝える本は

AIを使う情報収集のテクニックだけを効率よく知りたい人には、
目的には合わない本かもしれません。

大学図書館員が教えるAI時代の調べ方の教科書のポイント

情報収集のガイドブックのように手元に置くと良い本ですが、
こちらでも簡単にそれぞれの章のポイントを説明します。

1章:情報収集する前に

情報収集には3つの要素「内容・所在・入手方法」があり、
これを最初に決めないと効率の良い収集ができません。

計画と期限を決める大切がわかります。

そして今まで盲点だったことが、
計画を立てる時は、仮の結論(仮説)も同時に立てることです。

探したい情報の内容を言語化して
検索するキーワードも先に決めておけば、より目的に合う精度の高い情報が
収集できることがわかります。

ここでは抜け漏れを防ぐために生成AIを活用します。

2章:情報の集め方

情報のデータベースは2種類あり、それぞれの情報が得られる
最適の場所があります。

「探す系」資料を探す
「調べる系」言葉や事例などを調べる

そして、情報を見つけても、すぐには全部、読まずに
見つけた情報を2段階のふるいにかけます。

定期的な情報収集で便利な2つのサイトの使い方も説明されています。

・NewsPicks
・Googleアラート

さらに、
雑誌論文、新聞記事、近くの図書館へ行った時の
効果的な情報収集法を紹介。

レファレンス・ガイダンスのプロである著者の中崎倫子さんの
本を見るコツ、欲しい情報が見つからない時の対策なども丁寧に説明されています。


私達が本を探そうとすれば、つい話題の本、 Amazon kindleのおすすめレビューで
上位にあるものを良い本だと判断しがちですが、

ある一定の基準で良書を見抜き、早く探し出すコツを理解すると
自分の血肉になる本を選ぶ判断基準が育つのではないでしょうか。

それには誰でも平等に使える図書館の活用法も知らないと損だとわかります。

3章:図書館を使いこなす

図書館が好きな私には、知っているようで知らない活用法がわかり、
興味深かったです。

例えば、最寄りの公立図書館の利用法だけでなく、遠方の図書館の文献依頼法、
情報収集を支援するサービスなど知っておくと便利。

専門図書館、大学図書館、国立国会図書館も資料収集の
強い味方です。

あと、意外と重要な知識は「模写の著作権
複写できる範囲を確認しないと著作権違反になります。

4章:情報を吟味する

情報の信頼性の見極め方は、
情報があふれるAI時代には最も重要なスキル。

情報は正確なものでないと使えません。

ここでは情報源の元になる一次情報を5つの基準でふるいにかけて

【5つの基準】

・情報の加工度
・原著との比較
・参考文献リスト
・ロジック
・他の情報との比較

さらに詳細に情報の質を吟味します。

無意識のうちに自分に都合よく解釈する主観が入らないように
客観的に判断します。

・結論に至るまでの論証プロセスの吟味
・事実を調査するときは複数の情報源をチェック
・統計データを見るときは「全数調査」か「標本調査」かに注意
・標本調査は母集団とサンプルサイズに注目する
・統計の数字を見るときはグラフも見る

5章:情報のまとめ方

どんなに質が高い情報でも使えないと意味がなく、
ここでは、すぐに使える情報のまとめ方がわかります。

意外だったのは情報は整理しないということ。

整理方法にこだわるよりも、整理しないで済む方法を考えます。

むしろ検索できる状態でストックして、欲しい時に
すぐに取り出せる状態にしておく方が、早く使えます。


日々、新しい情報も出てくるので、古い情報よりも
新しい情報も、どんどんストック。

情報を使う訓練として自分の考えをメモするなど、
情報をアウトプットするのもおすすめです。

また、すぐに忘れてしまう情報は
それだけ重要ではないし、また調べ直す割り切りも必要です。

以上、ほんの概略を紹介しましたが、使える情報を学びたい人は、
図解でわかりやすくまとめてある本書を読むのがおすすめです。

情報収集はアナログとデジタル、両方を使うと効果は倍になる

図書館員としての知見から語られる「紙の資料の探し方」や「レファレンスサービスの活用」は、
一見すると時代遅れに思えるかもしれません。

でもこの昔からあるアナログの調べ方は、AIのような“広く速く”情報を拾うツールと組み合わせることで、
深く確実に調べる力へと変わります。

AI時代に必要なのは、「調べ方の地図」を持つこと

今後、AIはさらに進化し、情報収集そのものが
AIエージェントを使えば自動化されるでしょう。

しかし、そのときに差がつくのは、「調べ方の地図」を描く基礎能力

「どう仮説を立て、どんな地図で情報の目的地へ到達するか」
「アナログとAIを協働させるスキル」

これらが必須になります。

その意味で、『大学図書館員が教えるAI時代の調べ方の教科書』は、
AI時代の知的サバイバル戦略
“地味だけど超実用的なスキル”を教えてくれる一冊だと感じました。

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